ミステリー小説 小説

驚愕の真実!東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』レビュー

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ある閉ざされた雪の山荘で
タイトルある閉ざされた雪の山荘で
著者東野圭吾
出版社講談社
ページ数448ページ
発行年1992年
読書の目安時間約8~10時間

1. はじめに

こんにちは!今日は東野圭吾さんの長編推理小説『ある閉ざされた雪の山荘で』をご紹介します。

この作品は1992年に発行され、劇団の舞台練習を舞台にしたクローズドサークルミステリーです。

ミステリーの王道とも言えるこの設定、果たしてどれほどの実力があるのでしょうか?


2. あらすじ

物語は、劇団「水許」の次回作のオーディションに合格した7人の若者が、乗鞍高原のペンションに集まるところから始まります。

演出家の東郷陣平の指示で、彼らは「記録的な豪雪に襲われ、電話も通じない孤立した山荘での殺人劇」という設定で舞台稽古を行います。

しかし、次第にメンバーが一人ずつ消息を絶ち、殺害された状況を説明するメッセージが残されるようになります。

劇団員たちは、次第に現実と演技の境界が曖昧になり、恐怖と疑念が増していきます。


3. 登場人物紹介

登場人物を簡単にご紹介しますね。

  • 久我和幸(くが かずゆき): 主人公で、劇団「水許」のオーディションに合格した唯一の外部者。探偵役を務めます。
  • 東郷陣平(とうごう じんぺい): 劇団「水許」の演出家。冷静で計画的な性格。
  • 元村由梨江(もとむら ゆりえ): 劇団員の一人で、久我が一目惚れした女性。世間知らずのお嬢様。
  • 中西貴子(なかにし たかこ): 劇団員で、何でも話してしまう軽率な性格。
  • 田所義雄(たどころ よしお): 劇団員で、クセの強い性格。
  • 笠原温子(かさはら あつこ): 劇団員で、勝気でワガママな性格。
  • 雨宮恭介(あまみや きょうすけ): 劇団のリーダー。
  • 本多雄一(ほんだ ゆういち): 劇団のトップ俳優。
  • 麻倉雅美(あさくら まさみ): 元劇団員で、オーディションに落選した人物。

登場人物が多いけど、それぞれが魅力的で、物語に深みを与えているんだよね。特に主人公の久我和幸の成長が見どころ。

そうだね、個性豊かなキャラクターがたくさんいて、誰が犯人なのか最後まで分からないのがいいよね。

4. 物語の魅力

この作品の魅力は、劇団の舞台練習というユニークな設定と、豪雪に閉ざされた山荘という閉鎖的な環境です。

これにより、読者は登場人物たちの緊張感や恐怖をリアルに感じることができます。

また、物語が進むにつれて明らかになる真実や複雑な人間関係が、読者を引き込みます。

劇団の設定が非常にユニークで、舞台稽古と現実が交錯するシーンが特に印象的。

その設定だけでワクワクするね。登場人物たちの緊張感や恐怖がリアルに伝わってくるのがいいよね!

5. サスペンスの要素

メンバーが一人ずつ消息を絶つというサスペンスフルな展開が特徴です。

読者は次に誰が消えるのか、犯人は誰なのかを常に考えさせられます。

特に、豪雪による孤立という設定が緊張感を一層高めています。

これにより、読者は次の展開が気になり、ページをめくる手が止まらなくなります。

一人ずつ消えていく恐怖感と緊張感が最高。犯人は誰なのか、最後まで予測がつかない展開に引き込まれる。

豪雪による孤立感がさらに緊張感を高めるね。ページをめくる手が止まらなくなっちゃう

6. キャラクターの深層

登場人物たちの心理描写や人間関係の複雑さが物語に深みを与えています。

彼らの過去や動機が明らかになることで、読者はより一層物語に引き込まれます。

各キャラクターの背景や内面が丁寧に描かれており、彼らの行動や選択に対する理解が深まります。

各キャラクターの背景がしっかり描かれているから、彼らの行動や選択に納得感がある。特に東郷陣平の冷静さと計画性が光る。

キャラクターに感情移入しやすくなるね。心理描写が細かいと、物語が一層深く感じられる。キャラクターに感情移入しやすくなるね。心理描写が細かいと、物語が一層深く感じられるね

7. 評価と感想

『ある閉ざされた雪の山荘で』を以下の5つの項目で10点満点で評価しました。

プロットの緻密さ (7/10): プロットはしっかりと練られていますが、展開が少し予測しやすい部分もありました。もう少し捻りが欲しかったところです。

サスペンス (8/10): 豪雪に閉ざされた山荘という設定は緊張感を高めるのに効果的でしたが、一部のシーンでの緊張感が持続しない部分もありました。

キャラクターの深層 (7/10): キャラクターの描写は丁寧ですが、もう少し個々の内面に深く迫る場面があっても良かったと思います。特に脇役たちの動機が浅く感じられました。

読者への引き込み力 (6/10): 物語の展開が一部冗長に感じられ、テンポが遅くなる部分がありました。もっとスピード感があれば、より引                    き込まれたかもしれません。

独創性 (6/10): 劇団の舞台練習というユニークな設定は良かったですが、それが十分に活かされて十分に活かされているかという点では疑問が残ります。もう少し新鮮さを感じたかったです。


8. おすすめする理由

辛口評価となりましたが、それでも『ある閉ざされた雪の山荘で』には多くの魅力があります。

1. クローズドサークルミステリーの王道を堪能できる: 密室状態での殺人事件が次々と起こるクローズドサークルミステリーは、ミステリーファンにはたまらない設定です。

豪雪によって外界と隔絶された山荘という舞台設定が、緊張感を高めています。

2. 読者を飽きさせない展開: 展開が早く、次々と事件が起こるため、最後まで飽きずに読むことができます。

特に中盤から終盤にかけての展開は、読者を引き込む力があります。

3. キャラクターの個性: 登場人物たちの個性がしっかりと描かれており、それぞれの動機や背景が明らかになることで、物語に深みを与えています。

特に主人公の久我和幸の成長や、演出家の東郷陣平の冷静さが光ります。

4. 東野圭吾ファンには必読: 東野圭吾さんの作品は、その緻密なプロットと意外な展開で知られています。

ファンならば、この作品も外せない一冊でしょう。

彼の他の作品とも共通するテーマや手法を楽しむことができます。

5. 初心者にもおすすめ: ミステリー小説を初めて読む方にもおすすめです。

複雑なプロットながらも読みやすく、ミステリーの醍醐味を味わうことができます。


9. 終わりに

『ある閉ざされた雪の山荘で』は、東野圭吾さんのミステリー作品の中でも評価の分かれる作品かもしれません。

しかし、その緻密なプロット、個性豊かなキャラクター、そして豪雪の山荘という閉鎖的な舞台設定は、ミステリーファンには十分楽しめる内容となっています。

ぜひ、自分の目で確かめてみてください。

東野圭吾さんの他の作品も併せて読むことで、彼の多彩なストーリーテリングの技法をより深く理解することができるでしょう。

以下に、いくつかの代表作を紹介します。


他の東野圭吾の作品

1. ガリレオシリーズ

  • 『探偵ガリレオ』 (1998年)
  • 『予知夢』 (1999年)
  • 『容疑者Xの献身』 (2005年) - 直木賞受賞
  • 『聖女の救済』 (2008年)
  • 『真夏の方程式』 (2011年)
  • 『禁断の魔術』 (2012年)

2. 加賀恭一郎シリーズ

  • 『卒業』 (1986年)
  • 『眠りの森』 (1989年)
  • 『悪意』 (1996年)
  • 『私が彼を殺した』 (1999年)
  • 『嘘をもうひとつだけ』 (2000年)
  • 『赤い指』 (2006年)
  • 『新参者』 (2009年)
  • 『麒麟の翼』 (2011年)
  • 『祈りの幕が下りる時』 (2013年)

3. 単発作品

  • 『白夜行』 (1999年)
  • 『秘密』 (1998年)
  • 『変身』 (2002年)
  • 『流星の絆』 (2008年)
  • 『プラチナデータ』 (2010年)
  • 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 (2012年)
  • 『ラプラスの魔女』 (2015年)

これらの作品もぜひチェックしてみてください。各作品ごとに異なるテーマやプロットが楽しめます。

他のおすすめミステリー小説はこちら⇩

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